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着床前診断(受精卵診断)


平成20年12月14日付の報道によると、日本産科婦人科学は承認した施設で44人に着床前診断を実施して3人しか出産しなかったと発表していますが、大谷産婦人科では染色体の転座をもつ習慣流産患者様63人に着床前診断を実施して、33人が出産されたことを平成20年8月28日に開催された日本受精着床学会学術講演会で発表しており、大谷産婦人科の技術の高さが明らかになっています。

着床前診断(受精卵診断)は受精卵が子宮に着床して妊娠が成立する前に、受精卵の染色体や遺伝子に異常がないかどうかを調べる医療技術です。この診断を受けた最初の赤ちゃんの誕生が1990 年に報告され、以降世界中で約10,000人以上の元気な赤ちゃんが着床前診断を受けて生まれています。

着床前診断は不妊症や習慣流産などでお悩みの方が新しい命を育むための技術です。着床前診断を受けると、流産を予防したり、体外受精の妊娠率を上昇させたりする事ができます。

自然の妊娠では体の中で受精した受精卵の内、 25 〜 30% しか赤ちゃんとして生まれてこないことが知られています。これは、受精卵の多くに染色体異常があるため、着床しなかったり、着床しても流産や死産を起こしてしまったりする事が大きな原因の一つです。受精卵の内、染色体異常を持つものの割合は34歳以下の方で59%、35〜39歳の方で63%、40歳以上の方ですと74%にもなります(Munne et al. 1995, Marquez et al. 2000) 。染色体に異常をもつ受精卵の97%以上は着床しても流産、死産してしまいます。最も流産の可能性が低い21番染色体のトリソミーでも、流産、死産の確率は約8割にのぼります(沼部博直、産婦人科の世界 53, 771-781)。一方、流産胎児の染色体を調べると66%に染色体異常が認められますが、新生児の染色体異常は1%以下ですから、染色体異常を持つ受精卵が妊娠しても殆どが流産してしまうことは明らかです。

着床前診断を受けると、もともと染色体異常で着床できなかった受精卵、あるいは流産する運命にあった受精卵を調べて、胎児として発育できる受精卵だけを子宮に戻すことができます。体外受精後の流産はこういった受精卵の染色体異常による場合が多く、着床前診断を受けることで、流産率が減少することが証明されています。着床前診断は不妊症の方が流産を回避して、新しい命を育んでいただくことを可能にする技術なのです。

また、最近では神戸の大谷産婦人科と提携している米国の研究所がCGHという新しい技術を用いた着床前診断を受けることによって体外受精で胚盤胞移植を実施した場合の受精卵1個あたりの着床率が28%から61%に上昇したと報告しています。染色体に異常のない胚盤胞を子宮に戻してあげることで、体外受精の妊娠率が飛躍的に向上するわけです。

着床前診断に際して高い精度で多数の染色体を検査するには高度な技術が必要ですが、この分野では米国の研究所が最も豊富な経験を持ち、レベルの高い着床前診断を提供しています。大谷産婦人科が提携しているReprogenetics研究所は世界で最も有名な着床前診断の研究所であり、世界で最初に染色体の着床前診断を実施し、その後も常に最先端の研究を行い、世界最新の着床前診断を世界最高レベルの精度で提供しています。現在、アレイCGH法で24種類全ての染色体の検査を97%以上の精度で実施することが可能です。大谷産婦人科ではReprogenetics研究所との提携により、世界的にも最新の技術で最高レベルの精度の着床前診断を患者様に提供しております。

一方、染色体の相互転座による習慣流産の方の場合には一般に受精卵の約18%しか、発育して出産まで至ることのできる染色体を持っていませんが、着床前診断により、新しい命になる可能性のある受精卵だけを選んで子宮に戻すことができます。相互転座による習慣流産の方の流産率は70〜90%と報告されていますが、着床前診断によって一般の方と同じか、それ以下の10%前後まで低下させる事が可能です。大谷産婦人科では転座の反復流産で着床前診断を受けられた方の半数近くが一回の着床前診断で妊娠されており、妊娠された方の大多数は流産を回避して出産されております。この事実は権威ある医学誌に論文として掲載されています。


流産を繰り返すと子宮に傷が付いて、子宮内癒着を起こす可能性が高くなるのも大きな問題です。一回の流産で子宮内癒着が起こる確率は18.8%、流産を繰り返している方では47.6%に子宮内癒着が認められると報告されています(Romer T et al. Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol. 1994 Dec;57(3):171-3)。また、流産の後に掻破手術を受けられると手術の回数に比例して子宮内膜が薄くなってしまうことも報告されています(東口篤司ら、2011,日本生殖医学界雑誌56(4 )311)。子宮内癒着が起こったり、内膜が薄くなったりすると着床が妨げられて不妊症になったり、さらなる流産の可能性がますます高くなったり、もし分娩まで到達しても癒着胎盤による大出血の原因になる可能性があります。着床前診断によって流産を予防すれば、子宮内癒着や子宮内膜の菲薄化の予防にもつながります。

着床前診断によって受精卵の染色体や遺伝子の異常による疾患や症候群の有無を調べることも可能です。 受精卵よりずっと発育した胎児の異常を調べる検査には羊水検査、絨毛検査、超音波検査などの出生前検査があります。

この中で、羊水検査は特にご年齢の高い妊婦さんを中心に大勢の方が受けておられ、現在日本では年間 約10,000例が実施されています。 また、国内のアンケート調査では、ダウン症児の次の子を妊娠した52人中37人(71%)が出生前診断を受けておられます 。 ただ、羊水検査の危険性についてはあまり知られていないのではないでしょうか。

羊水検査後の流産の割合は200回に1回くらい(0.5%)です。また、羊水検査の後の子宮内感染といった重篤な合併症も 0.1〜1.0% とされており、海外では羊水検査が原因で、子宮内に細菌が進入し、敗血症、ショックを起こし、子宮、卵巣、両下肢、右手指を切断せざるを得なかった症例や母体死亡に至った症例も報告されています。国内でも羊水検査が原因で敗血症ショックをおこし、子宮を全摘されてしまった症例が報告されております(産婦人科の進歩、54巻2号p158-p159)。一方、絨毛検査では羊水検査よりもさらに流産率が高くなりますし、絨毛検査を原因とする赤ちゃんの障害も報告されています。羊水検査や絨毛検査は、母胎を危険にさらす可能性の高い検査であると言えるでしょう。

でも、もっと重要なことは、出生前診断の結果が意に沿うものでなかった場合、お腹の中で大きく育った胎児の妊娠中絶を選択される女性が少なくないということです。カウンセリングの整った欧米でも胎児にダウン症があると診断された女性の92%は中絶を受けています。また、上述の国内のアンケート調査ではダウン症児の次子のとき出生前診断を受けた37人のうち、76%が「出生前診断は障害をもつ子の中絶が前提」と答えておられます。中絶は女性の心身を大きく傷つけることはいうまでもありません。また、羊水検査や絨毛検査などの出生前診断は胎児の約0.5%が流産してしまう(200人に1人の赤ちゃんが死んでしまう)検査であり、「産むための心の準備のため」に軽々しく受けるべき検査ではありません。

着床前診断なら、妊娠が成立する前に検査するわけですから、中絶の可能性を考える必要がないので、女性の心身への負担はずっと軽くなります。着床前診断は胎児を殺し、母体の心身を傷つける妊娠中絶の可能性を排除できるという意味で出生前診断よりはるかに人道的な検査なのです。着床前診断を受けることで、染色体異常や遺伝子疾患の可能性を考えて避妊されていたカップルが妊娠の決断をされることが容易になります。出生前検査の結果としての選択的中絶が自己決定権に基づいて殆ど何の制限もなく実施されている日本の現状で、着床前診断についての自己決定権を厳しく制限する事は倫理的な倒錯だと言わざるを得ません 。

日本国憲法13条は「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と規定していますが、着床前診断を受けて流産を回避したり、体外受精の妊娠率を向上させることは、憲法 13 条で保証された基本的人権です。

内閣府の総合科学技術会議は今後の政策に大きな影響を与える会議ですが、その生命倫理専門調査会の最終報告では母親の負担の軽減、遺伝病の子を持つ可能性がある両親が実子を断念しなくてすむ、着床後の出生前診断の結果行われる中絶手術の回避といった、着床前診断の利点を列挙しています。

 

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