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着床前診断の優位性

- 日産婦会の「着床前診断に関する見解」への批判 -

第2 相互転座(習慣流産):着床前診断による出生率の上昇(別表2)

  • 1. 第1を前提とすると受精、着床から出産に至るまでの確率は以下の通りとなる。
  • (1)一般的自然生殖の場合
    受精卵は着床しなかったり、着床しても、妊娠が確認される前に流れたりするものが70%であり、妊娠が確認されるものは30%にすぎない。そして、そのうち、さらに流死産するものが約15%あり、出産するものは受精卵あたり25〜30%である*12 *13
    (2)相互転座(習慣流産)の自然妊娠の場合
    自然生殖においては一般的自然生殖と同様にどんなに高く見積もっても妊娠が確認される率は30%である(30%以下と推定されるが、ここでは最大の30%と仮定する)。この内、90%が流産し、約10%が残ると、受精卵あたり3%しか出産しない。また、受精卵の内約20%が均衡型の染色体であることから推論すると、受精卵あたり5〜6%の出産率となる(自然生殖の25〜30%の20%)。このように著しく低い出産率となる。
    (3)着床前診断の場合
    着床前診断の場合には、一回につき約10個の受精卵から正常卵を選択するために、少なくとも一般的自然生殖と同程度かそれ以下に流産率は低下する。それゆえ妊娠した者の約85%は出産すると推定される。体外受精の回数(1回あたり)の成功率は以下の通りである。
    1: 大谷の場合、48%の妊娠率である。これは24組について29回実施して、14組成功したものである。
    2: ムンネ*8、ベルリンスキー*10、ESHRE*3、韓国*6、オギルビー*14の場合には20〜40%である。妊娠した者の約85%は出産すると推定される。
  • 2. 「一般的自然生殖の受精卵あたりの妊娠率、出生率」と「体外受精の回数あたりの成功率」は本来は同一には比較できない。しかるに結論としては出生率が20%ないし40%となることは変わりない。以上のことは、第1の説明の通り、相互転座の自然生殖における流産率の高さが原因しているだけなのである。その理由は第3の通りである。
  • 3. 体外受精と着床前診断の成功率(別表3)
    一般の体外受精、着床前診断、一般的自然生殖の出産率はいずれも下記の通りほとんど同じである。前記の通り一般的自然生殖の場合には受精卵当たりの妊娠率出産率は約25%からどんなに高くても30%である。これについて一般的には自然生殖の場合には高率の妊娠率出産率が考えられているがそれは基本的に誤りである。これに対して一般的体外受精においても着床前診断においても、採卵した者のうち出産するものは約20%、胚移植した者のうち出産するものは約30%である。すなわち体外受精や着床前診断において人為的に受精させた場合には、全ての者に胚移植できるわけではなくそこで若干減少する。次に胚移植した場合でも着床しなかったり妊娠しなかったり流産したりする場合がある。そのプロセスはほとんど一般的自然生殖における受精後のプロセスと同じである。しかしながら、複数の受精卵の中から良好なものだけを選んで胚移植するので、これは妊娠率、出産率を上げる方向に働く。以上の通りであり、体外受精は一般的自然生殖に比べて確率が低いというような説明があるが、それも間違いである。
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